YouTube、Spotifyの攻勢に苦戦する韓国の音楽配信会社

K-POPニュース

韓国3大音楽配信会社MELON、 GINIE、FLOの脱音楽が加速している。YouTube Musicが移動通信社の基盤なしで業界2位まで急浮上したことが、韓国音楽配信会社の危機感を高め、音楽流通だけでなくメタバース コンサート、ドラマ等のオリジナルコンテンツコンテンツ制作に力を注ぎ始めた。

業界最大手MELONは今月KAKAOから分社しMELONカンパニーとして独立した。この独立はKAKAOのMELON成長戦略の一環であると見られる。保有曲4000万曲、利用者800万人、月間アクティブユーザー600万人を抱えるMELONはオーディオ関連事業を拡大するという。

ブログ+ラジオコンテンツ

MELONはオーディオコンテンツサービス”MELON STATION”のサービス拡大を続けている。”MELON STATION”はクラシック、アイドルなど各ジャンルを代表するアーティストが音楽と共に視聴者と会話するトークショー。KAKAOが運営するブログ”Branch”と共同で音声と音楽によるオーディオブック”Branch ラジオ”を開始した。

KAKAO関係者は「クラシック演奏家が出演する”ブラボー クラシック”から人気演歌歌手が出演する”MELON トロットショー”まで多彩なジャンルを網羅したラジオコンテンツを開発していく計画」と説明した。

メタバース技術を応用したK-POPアイドルコンテンツ

大手移動通信会社KTの子会社GINIE MUSICはAIとメタバースに注力している。メタバースとは架空を意味するMetaと現実世界を意味するUniverseの合成語で現実世界をデジタル仮想世界に溶かし込む技術である。

GINIE MUSICは今年業界として初めてメタバース技術の実用化に成功し、SF9、ONFなどK-POPアイドルグループの”VPアルバム”を発売した。”VPアルバム”とは5G回線を利用して利用者がアーティストと同じ空間にいるかようにパフォーマンスを鑑賞できるコンサートアルバムである。

さらにGINIE MUSICは昨年から各種コンテンツ事業者と共同で”AIアルバム”の発売を開始した。人件費がかからず人間よりも早く音楽を作り出す事が出来るのがAI作曲の長所である。GINIE MUSICは今年の下半期までにAI作曲を演歌、ポップなどに拡大し、今後ゲームやスポーツの応援歌作曲にも活用する予定だ。

KT関係者は「コロナ禍による世界的な非対面環境下で、実際にK-POPアーティストに会えるように感じるVPアルバムと、映像コンテンツのバックミュージックに注目が集まっている。今後もビジュアル音楽コンテンツ具現技術をアップロードしていく」と強調した。

公募シナリオでドラマ制作

SKテレコムの子会社FLOはオリジナルコンテンツに突破口を求めている。

FLOは昨年、オリジナルコンテンツ強化のために3年間で2000億ウォンを投資すると発表した。先日リアルタイム放送プラットフォーム”Spoon”と業務契約を結び、”DJガンヒの賞賛トークショー、憤怒の賞賛BOT”を始めとするSpoonラジオのオリジナルコンテンツをFLOで公開することで合意した。

今月からはドラマ制作プロジェクト”チャン・ハンジュンのストーリー作業室”を開始、一般からシナリオを募集してオリジナルドラマを制作する予定だ。チャン・ハンジュン監督が決勝に残った2本のシナリオ作家をスタジオに招待し台本を作るというシステムである。

さらにFLOはコンテンツ制作チーム”スタジオFLO”を設立し、比較的参入障壁の低いポッドキャストで競争力を確保したのち、外部からのコンテンツ需給と自社制作コンテンツの拡大を狙う方針だという。

韓国音楽配信ビッグ3の変化はYouTube Musicなどグローバル企業の攻勢を念頭に置いた処置だろう。

ビッグデータプラットフォーム企業のモバイルインデックスによると、今年5月のアンドロイド利用者のMELON市場占有率は29.8%で、2019年1月の38%から8.2%下落した。

一方YouTube Musicは同時期に1.7%から12.6%に、2年4カ月でランク外から3位まで成長したことになる。

現在の占有率は1位MELON 29.8%、2位GINIE MUSIC 17.6%、3位YouTube Music 12.6%、4位FLO 11%、5位NAVER VIBE 3.67%。

順位社名占有率
1位MELON29.8%
2位GINIE MUSIC17.6%
3位YouTube Music12.6%
4位FLO11%
5位NAVER VIBE3.67%

シェア拡大を続けるYouTube Spotify

YouTube Musicを始め、今年2月に韓国に上陸したSpotifyなどが完全に定着した今、ビック3は各社が同じコンテンツを提供する音楽配信だけでは占有率が低下するとの判断から、それぞれ得意分野で新事業を展開する方針だ。

業界関係者は「YouTube Musicが広告のない動画サービス”YouTube Premium”を中心に韓国市場で大躍進を遂げ、危機感が強まった。K-POP、WEB漫画、WEB小説など韓国のIPに対する世界的関心が高まった今、音楽関連事業を拡大すればコンテンツ制作及び流通で大きなシナジー効果を得られるだろう」と語った。


時事オヌル「통신사만 탈통신하니? 멜론·지니뮤직·플로도 ‘탈음악’ 신사업行…왜?」(2021年7月8日)の翻訳。


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