2018年7月30日IZE掲載TWICE関連ニュース翻訳
夏にK-POPアイドルが一斉に新曲を発売する理由
IZE 2018年7月30日
本格的に初夏に入った5月末から7月現在まで新曲を発表したアイドルは60組を超える。昨年の同時期に比べ増加した事もあるが、何よりも名を知られたアイドルグループ約10組が1~2週間隔で新曲を発売し1位争奪戦が熾烈だった。
2018年夏、多くのアイドルが一斉に新曲を発売した理由は何か?アイドル産業関係者に質問した。
“夏のシーズンソング”が空いている
BUSKER BUSKERの”벚꽃엔딩”(Cherry Blossom Ending)が多くの人の心を捕らえて伝説になり、雨の降る日はHEIZEの”비도 오고 그래서”(You, Clouds, Rain)が音楽配信ランキングの上位圏に上がってくる。
この仲間に加わったのが2017年発売のRed Velvet”빨간 맛”(Red Flavor)。ガールズグループ事務所関係者A氏は「”빨간 맛”がヒットし真似しやすいコンセプトまた一つ出来た。」と語ったが、”빨간 맛”のようなジャンルの曲しかシーズンソングの地位を狙えないという訳ではない。
Mamamooが1か月前に新アルバム”RED MOON”の先行曲として発表した”장마”(Rainy Season)は梅雨明けした今もリアルタイム音楽配信ランキングの20~30位を守っている。5月28日発売のAOA”빙글뱅글”(Bingle Bangle)は20位ラインを上下している。
これ以外にもダンス曲のTWICE”Dance The Night Away”、BLACKPINK”Forever Young”、チョンハ”Love U”、SEVENTEEN”어쩌나”(Oh My!)、Momoland”BAAM”、여자친구(GFRIEND)”여름여름해”(Sunny Summer)などが20位圏内にランクインしている。
A氏は「元々、春と冬はダンス曲は売れないという認識がある。特に冬はパク・ヒョシン、ソン・シギョン、パク・ジョンヒョンら一般層にも人気の高いバラード歌手がシーズンソングを発売してアイドルの曲が人気を得ることが難しかった。春は冬ほどではないが、볼빨간사춘기(Bolbbalgan4)、MeloManceらインディース出身のライブソングが上位を占めて付け入る隙がなく、チャート成績を予想できなかった。しかし夏はダンス曲を聴く季節で、ある程度チャート成績を予測できるため新曲を発売しやすかった。」と語った。
夏はコンセプトを作りやすい
「夏という季節がコンセプト」あるガールズグループプロデューサーB氏の言葉だ。コンセプトを決め、それに合わせた曲、コスチュームを選ぶことは芸能事務所スタッフにとって決して楽な仕事ではない。「アイデアが枯渇した時、夏という特性に頼るコンセプトにする。特に今年のように防弾少年団、Wanna One以外は成功できないことが確実な事がはっきりしている時はどんなコンセプトでやっても上手く行かない。だからストレートにアイドルの明るい姿を見せられる夏が重要」と語った。

しかし逆に夏に新曲を発売して独自のコンセプトが生まれたアイドルもいる。チョンハはデビューアルバムのリード曲(タイトル曲)”Why Don’t You Know”を夏に発売した。チョンハの所属事務所MNHエンターテインメント関係者は「夏シーズンを狙って発売したわけではない。発売時期をうかがっていたら夏に発売することになった。ただ、チョンハのハ(하)は夏とも書く、それで夏シーズンを逃さないようにした」と説明した。チョンハは夏の代表的女性ソロ歌手として独自の地位を築きつつある。
少女時代とSISTARの空席
幅広い層から人気を得た少女時代とSISTARの空席は後輩ガールズグループにチャンスを与えた。プロデューサーB氏は「夏のガールズグループと言えば多くの人がSISTARの名を挙げるが、今その席が空いている。」と語った。そのせいか、季節と関係なくアルバムを発表していたTWICEは”Dance The Night Away”で本格的にシーズンソング競争に飛び込んだ。8月には昨年”빨간 맛”(Red Flavor)をヒットさせたRed Velvetが新曲を発売する。
作曲家C氏は「GFRIENDは夏自体がコンセプトのようなグループだが、敢えて”여름여름해”(Sunny Summer)というタイトルの曲を発売した」と語り、少女時代とSISTARという人気グループの空席が2018年夏のアイドル市場の競争構図が具体化したことを強調した。さらにMnet”プロデュース48″で誕生するガールズグループがデビューする秋を避けたいという思惑もある。B氏は「新人ガールズグループをデビューさせる予定。他のガールズグループは怖くないが、プロデュース48出身は怖い」と新人ガールズグループのデビュー時期を見極めていると語った。
夏はイベントのシーズン
夏は野外イベントが多く、野外の音楽番組、各地の特産物、海のイベントでアイドルの姿が見られるシーズンである。
アイドル芸能事務所関係者D氏は「夏はイベントが多いので、この時期に新曲を発売すればイベント出演のチャンスが増える。イベントにヘッドライナー級グループは1グループしか呼ばれないので、大企業が主催するイベント以外はTWICEとBLACKPINKが共演することはほとんどない。」
今年のように多数のアイドルが夏に新曲を発売すればイベント出演競争も熾烈になる。
防弾少年団の新曲発売前を狙え
2017年は防弾少年団とWanna Oneの年だったと言っても過言ではない。昨年は少なくないボーイグループ関係者がコンセプト・企画・マーケティング方式で苦労した。
さらに今年は防弾少年団がビルボードアルバムチャートで1位を獲得するというセンセーションを引き起こした。防弾少年団が新曲を発売すれば話題も売り上げも全部持って行かれると言っても過言ではなく芸能事務所関係者は防弾少年団の動向に神経を使わざるを得ない。

あるボーイグループ関係者は「防弾少年団とWanna Oneの空白期に合わせて計画を練るわけではないが、他のグループと打ち合わせて3週間ほど新曲発売時期を調整することはある。」と語り、別の関係者は「ボーイグループは6月と7月の新曲発売が多かった。防弾少年団が新曲を発売する8月に新曲を発売するボーイグループはほとんどいないだろう」と予想した。
防弾少年団が”LOVE YOURSELF 轉 TEAR”を発売した5月3週はバンドのN.Flying以外はは1グループも新曲を発売しなかった。防弾少年団は8月に新曲を発売する予定である。
(翻訳終わり)
補足
記事に出てきたチョンハは元JYPエンターテインメント所属で、現所属事務所のMHNエンターテインメントの社長もJYP出身。現在放送中のMnetプロデュース48の前身番組プロデュース101シーズン1に出演して最終11人に選ばれIOIのメンバーとしてデビューした。零細事務所所属で本人の能力だけでIOIに選ばれた唯一のメンバーと言っていいだろう。
