2016年3月9日日曜新聞掲載のKPOPアイドルグループの外国人問題に関するニュースの翻訳
色々あっても・・・アイドルグループの外国人メンバー加入戦争
今年韓国音楽界で最も大きな話題の一つはJYPエンターテインメント所属ガールズグループTWICEの台湾人メンバーツウィがMBCのバラエティー番組「マイ リトル テレビジョン」収録中に台湾旗を振ったことに端を発した「ツウィ事態」だった。
台湾人が台湾旗を振ることに何の問題があるのかという反論もあるが、台湾を正式な国家と認めていない中国がツウィの行動をに反発、総統選挙を控えていた台湾はこれを政治的に利用した。
ツウィ事態は沈静化したが、このような問題は外国人メンバーが所属するグループが抱える潜在的な危険要素といえる。しかしアイドルグループに外国人メンバーを加入させることはすでにひとつのトレンドになっている。
TWICEにはツウィ以外にも日本人メンバーが3人も所属、9人組ガールズグループの半分近くを外国人が占めている。TWICEの日本人メンバーは独島(竹島の韓国呼称)や従軍慰安婦に対してどういう説明をするのか?日本の立場で説明すれば韓国での活動に支障をきたし、韓国の立場で説明すれば日本に帰れなくなるかもしれない。
メリットの方が大きい外国人メンバー
しかし大多数の芸能事務所関係者は「外国人メンバーを積極的に活用する必要がある」と口をそろえる。K-POP市場が大きくなり海外が主要な攻略地になったためだ。
ハリウッドで活動する俳優キム・ユンジンとイ・ビョンホンが韓国内のファンの全幅の支持を受けているように、韓国の有名アイドルグループに所属する外国人メンバーは自国に帰った時、絶大な声援を受ける。一人の外国人メンバーがグループ全体の知名度向上につながるため、これ以上の宣伝手段はない。
TWICEの所属事務所JYPエンターテインメントは外国人メンバーの活用に長けている。2PMのニックンはタイで最も人気のある芸能人のひとり。韓国での人気を基盤に彼はタイ映画「Seven Something」(2012年)の主人公を演じた。
2PMの弟グループGOT7もタイ人ベムベムと香港出身のジャクソンが所属している。先日放送のJTBCのバラエティー番組「내 친구의 집은 어디인가」(私の友人の家はどこ)でタイを訪れたベムベムの姿が描かれた。仁川国際空港から出国したベムベムと共演者はタイの空港で待っていたタイのファンの大きな歓声を浴びた
2012年デビューのFiestarも中国ミャオ族出身メンバー・チャウルのおかげで恩恵を受けている。独特なキャラクターでバラエティー番組にひっぱりだこのチャウルはMBCのバラエティー番組「私たち結婚しました」に出演するなど全盛期を迎え、チャウルの所属グループFiestarの名も広く知れ渡った。
新たにデビューするガールズグループにも外国人メンバーが大挙加入している。SISTARが所属する芸能事務所STARSHIPエンターテインメントからデビューする12人組ガールズグループ宇宙少女は3人の中国人メンバーが加入し中韓合作グローバルグループを標榜している。
3月1日中国北京レジェンデールホテルで開催の宇宙少女のデビューショーケースは新浪網、捜狐、テンセント、PPTV12、Ku6、環球時報、娯楽新聞網、中国青年網など10以上のメディアを通じて大々的に報道された。外国人メンバーによる効果を端的に見せた例だ。
BEAST、4MINUTEが所属するCUBEエンターテインメントからデビューした新人ガールズグループCLCも外国人メンバーを補強した。オリジナルメンバーのタイ人ソンに続き中国人エルキーが加入、多国籍グループとして活動の幅を広げた。
韓国音楽界で初めてアイドルグループに外国人メンバーを起用したのはSMエンターテインメントだった。中国人メンバーハンギョンが所属するSUPER JUNIORが2005年にデビュー、2008年に中国人のジョミとヘンリーが加入しSUPER JUNIOR-Mを作り中国語圏専用グループを育成した。SUPER JUNIORは台湾で1年以上音楽配信ランキング1位を続けるなど大きな人気を享受した陰にはこのような現地化戦略があった。
SMはガールズグループf(x)に中国人ビクトリアと中国系アメリカ人アンバーを加入させ、現在もっとも大きなファン層を形成しているEXOはクリス、ルハン、レイ、タオの中国人4人が所属しているが、このうちクリス、ルハン、タオは中国に帰りSMに対して訴訟を起こし外国人メンバー離脱減少への警笛を鳴らした。
海外オーディション
外国人メンバーは海外活動時、言語障害を取り除く役割を果たす。自国民が所属するK-POPグループに対する異質感を減らす効果もある。そのため芸能事務所関係者はいい外国人を探すのに血眼になっている。
SM、YG、JYP、FNCなど大手芸能事務所は外国人メンバーを探すため海外オーディションを開催している。これらの事務所はすでに外国でも名を知られているため信用があり、良質な応募者が少なくない。
しかしオーディションに合格したといってもすぐデビュー出来る訳ではない。故郷を離れ慣れない韓国で平均3~4年の練習生期間を経なければデビューできない。歌、ダンスなど基本的な技術以外に韓国語も習得せねばならず簡単に出来ることではない。
デビューまでの過程で離脱する外国人もいる。グローバルオーディションを開催する余力のない中小芸能事務所はこの離脱者をスカウトしてデビューさせることもある。ある芸能事務所関係者は「能力のある練習生が多い事務所は無条件で練習生契約を解除することがある。その練習生を他の事務所の了解を得てデビューさせる」と語った。
オーディション脱落者も狙い目
テレビ局のオーディション番組に参加し脱落した外国人にも芸能事務所関係者は注目している。能力不足でオーディション番組で優勝できなくても「育てればいい」という考えだ。また他の芸能事務所関係者は「オーディション番組上位圏まで勝ち進んだ参加者はイメージ露出が多いため、むしろ予選落ちした参加者に注目している。韓国のオーディション番組に参加したということは、芸能界デビューに関心があるということ。アイドルグループのメンバーとして申し分ない」と説明した。
(翻訳終わり)
その後
このブログ記事を書いているのは2年後の2018年3月なので後出しじゃんけんではあるが、
KPOPアイドルの外国人メンバーは大半が中国人または中国系で中国に大きく偏重している。そしてこの記事から半年後に中国が韓国芸能コンテンツを制限する限韓令を発令したため大打撃を受けることになった。
またツウィ事態と限韓令によって韓国人の対中国感情が悪化、中国人を抱えるグループは人気が伸びない。
SUPER JUNIOR
ハンギョンは2009年にSMエンターテインメントに契約解除の訴訟を起こしSUPER JUNIORを離脱した。初の外国人メンバーであるとともに初のトラブルメーカーとなった。
EXO
もともと中国人の離脱が相次いでいたが、限韓令後の2016年10月10日に防弾少年団が発売したWINGS(タイトル曲「血、汗、涙」)にCD売上1位の座を奪われ、以降差は拡がるばかり。
宇宙少女
中国資本をバックに中国人メンバーをメインにCM、テレビ番組に出演させまくったが、限韓令によって完全に裏目となった。
Fiestar
チャウルは個人として人気を維持しているがFiestar自体は地下アイドルレベル。
CLC
売れない。限韓令以前の問題。





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